【インタビュー】2014世界大会4A部門チャンピオン岩倉玲選手

こんにちは。JYYFの荒牧です。
今回も昨年度世界チャンピオンのインタビューを掲載します。

前回の三浦元選手のインタビューに続いて2人目は、
2014世界大会4A部門チャンピオン、岩倉玲(イワクラレイ)選手です!

4A World Yo-Yo Champion Rei Iwakura

多忙な社会人プレイヤー、そして一児の父でもありながら、ストイックな姿勢で第一線で活躍し続けている岩倉選手。世界大会4A部門で3度優勝、AP部門でも1度優勝、計4つの世界チャンピオンタイトルを持っている他、全国大会、アジア大会等でも数多くの優勝経験を持っています。所属チームはC3ヨーヨーデザイン。JYYFヘッドジャッジでもあります。

 

 


 

Q1. ヨーヨーを始めたのはいつから?

1997年~(確か秋くらい)です。

 

Q2. ヨーヨーを始めたきっかけは?

当時ヨーヨーがブームであり、小学校のお祭りで友人がハイパーブレインを持ってきて、
ブランコやら犬の散歩やらのベーシックトリックを見せてくれました。
ブームだった事もあり、自分もやってみたい!と思い立ち、その日のうちに
近所のおもちゃ屋さんで友人数人とインペリアル(赤)を購入しました。
ロングスリーパーが5秒回るまで、1週間くらいかかったのをよく覚えています。

 

Q3. 尊敬するヨーヨープレイヤーはいますか?

鈴木裕之
(2001年~2014年世界大会までの間、10年以上必ず決勝に勝ち残り、超激戦1A部門で4度も世界チャンピオンになっている。
「勝つ」事よりも「勝ち続ける」事、「追う」よりも「追われる」事のプレッシャーや難しさは凄まじいだろうし、しかもそれが1Aともなると想像以上だろうが、それでも戦い続けている)

岡田直人
(ストイックにオフストリングを突き詰め、大会での演技を作り込んでくる所。競技以外でも、ショーとしてのパフォーマンスが非常に洗練されており、演出を技術の逃げ道にしていない。
技術/パフォーマンス双方が揃っており、世界チャンピオンの名にふさわしい演技を様々な場所で披露している。)

高田柊
(技術習得に特に時間がかかる2Aで、常に新しい事をやろうとするチャレンジ精神と、演技において観客を楽しませようとするエンターテイメント性を持ち合わせ、それらを競技の中でも失わず非常に高いレベルで実施している。
ヨーヨーを「カッコいいもの」としてちゃんと提示できるのは世界でも彼含めほんの数人だと思う。)

 

Q4. あなたが4A部門をメインにするようになったのはなぜですか?

4Aを競技として取り組み始めたのは大学に入ってからでしたが、その頃ヨーヨーと並行してディアボロやジャグリングをやっていました。これらとの共通部分が4Aには多く、今思えばとっつき易かったんだと思います。
また当時既に第一線で活躍していた奥山瑛二君とよく練習をしていた事も理由のひとつです。
技を教えてもらったり、一緒に考えたりするうちに、4Aを練習する時間が自然と増えていった気がします。

 

Q5. 普段どんな練習をしていますか?

社会人だと時間/場所的な制約がある為、練習効率を少しでも高められるように心がけています。
時間/場所の制約が厳しい平日は技の反復練習を主に行い、その代わり休日はフリースタイルの演技を通したり新しい技にチャレンジしたりする時間に最近では当てています。
あとは2時間なら2時間、1時間なら1時間で、ある程度その日の練習メニューを決めて取り組むようにしています
個々の練習時間において、その都度簡単な目標やテーマ(技の反復or演技を通すor新技開発or苦手なエレメントの克服、等)を決めていると、取組み易いし効果も出やすいのはずなので。
一緒に練習するメンバーとしては家が近い城戸慎也君や岡田一輝君、あとは石原弘康君や大塚裕介君ともよく集まって練習しますね。

 

Q6. 大会前はどんな練習をしますか?

主に演技を通す事に練習ウエイトを置くようになります。
また一緒に練習する人がいる時は、人に見られた状態での演技に慣れる為、見てもらった状態でなるべく通すようにします。
あと気をつけている事としては、
・本番と同じ衣装で練習する事
・どんなに演技がボロボロでも構成を通しきる事
ですね。4Aの場合、特に糸を体に密着、もしくは近づけた状態での技が多いので、ちゃんとその衣装で構成を通す事に慣れていないと思わぬ所で服とかに引っかかったりして、非常に勿体ないミスにつながる可能性があります。
あと練習でどんなにミスが多く出来が悪い回があっても、途中で曲を止めたりせずに最後まで通しきる事はとても大事です。
当然本番でノーミスが出るとは限らないし、そういった練習をしておかないと、本番でミスした際上手く対応ができず、そこからズルズルと演技が崩れてしまう。だからミスした際のリカバリーは習慣付ける必要があります。
ヨーヨーの演技は3分間という非常に限られた時間しかありません。交換する/しないの判断を一瞬でする等、普段の練習からミスへのリカバリー/対応力を高めるように意識しなければならないと思います。

 

Q7. 昨年優勝するまでのエピソードがあれば教えてください。

2013年世界大会で過去参加した大会の中でも一番ミスが多い演技をしてしまい、それが本当にショックだったので、そのリベンジをテーマに昨年1年間は練習を続けました。
2013年世界大会が終わった後、日本に着いてから2日後には体育館に行き次の年のための練習をスタートさせていましたね。
競技として、スポーツとしてヨーヨーに取り組むにはどうしたらよいか。その為にはどういった練習が必要なのか。
今まで自分の中で甘かった部分を見直し、改めて練習に向き合うようになりました。
それからヨーヨー以外の世界に非常にモチベーションを貰いました
ディアボロやジャグリング、ダンス等の世界におけるトップの人達を見ると、本当に技術を突き詰めているし、自分なんかのレベルで落ち込んでいる場合じゃない。
まだまだヨーヨーでやるべき事はたくさんある。と思えたので、モチベーションアップにつながりました。

 

Q8. 昨年優勝した時の感想を教えてください。

1年間がかりでやってきた事が、一番良い結果に繋がった嬉しさがとても大きかったです。
内容としても恐らく人生で初めて完璧なノーミスの3分間をやりきれたので、非常に感慨深かったです。
悩みながらも何百時間と練習してきた事が間違ってはいなかったなと思えました。

 

Q9. 昨年優勝した後、何か変わったことはありますか?

実はそこまで急変したとか、そういった事は特にありません(笑)
強いて言うなら世界大会で次の課題が見えたので、練習する技の種類が増えたくらいでしょうか。
昨年の世界大会は近年を振り返っても本当にレベルが高く、とにかく各選手の演技における「完成度」がぐっと上がった年だと感じました。
確かに、「4A部門世界チャンピオン」というタイトルは、今回で3回手に入れる事はできました。
だけど、まだ出来ない技もある。大会でミスする事もある。伸ばすべき技も残っている。そして何よりも、自分より上手いと思うプレイヤーが沢山居る。
「世界一上手いプレイヤー」だとか、「完璧なプレイヤー」には、僕は程遠いです。
だからまだ上手くなりたいし、練習の意識や取組み方は、リベンジに燃えていた2013年世界以降と、同じように継続しています。

 

Q10.今年の世界大会の意気込みをお願いします。

自国開催という事はもちろん、今までの歴史の中で4A部門を連覇した人間はまだ居ないので、もし優勝できたら最高ですね。
ただその為には十分な準備が必要だと思いますし、披露したい新技もあるので、これから完成度を上げていかなければなりません。
初心を忘れず、ステージ上で自分の100%を出し切る事を目標に頑張ります。
また史上初のアジア開催ということで、今までは立地的な理由から参加が難しかったアジア諸国の強豪選手
参加が見込まれる為、大会自体とても楽しみにしてます。

 

Q11.あなたにとってヨーヨーとは?

(予想以上に強めだった)人生のスパイス

 


 

岩倉玲選手、ありがとうございました。